「冨士雄、お前何しとるんや!」私の記憶に残る父の言葉では最古である。微かな記憶しか残っていないが、三歳に成っていないであろう私は随分と驚いたに違いない。というのも自分を守ってくれるはずの父が怒った様な言い方をしたからである。
その時の私は父が勤務する会社のトイレで遊んでいた。トイレの男性用便器に向かって硬い紙を突っ込み、水を流しっぱなしにしていた。水はいつしか便器から溢れ出し、足元を襲い、さらに床一面に広がり、間違いなく私の足首は水で濡れていただろう、そのぐらいの水位まで成っていた。
いま考えると、優しい父であっても怒らないはずがない。だいたい場所が悪かった、当時では最先端の技術を駆使して建設されたビルの地下であるから、水の逃げ場がないという場面である。父は床に這い蹲って私がおいた(悪さを)した遊び道具を、大きな背中を向けながら黙って片付けていた。
人は時々、父の背中を見て育つと言うが、私のおいた(悪さ)の後片付けする父の大きな背中を見ても、まともな人間に育つ訳はなく、私は成人した頃にとんでもない人生を送ることなった。だがこの時点ではまだ、自分と言う人格を分っていなかったことは間違いない。
父が飲みかけていたビール瓶を足で蹴ったのは五歳の時だった。むろん父が嫌いとか、困らせてやろうと考えて蹴った訳ではない。私が伸ばした短い足の先に偶然、ビール瓶が立っていただけの事である。ゆえに悪いのはビール瓶の方だ。
私の足先によって倒されたビール瓶はスローモーションを見るかのごとく、床から二十センチほど浮き上がり、まるで一本ほど残っているボーリングのピンがボールによって倒されるように転がっていく。ビール瓶の口からは無残にも大量の泡が吹き出てくる。その泡は白く鮮やかな色彩を刷毛で描くかのように、ござの上に散らばせた。とてもじゃないか大人が飲めるような代物には成らない。次に進む
私の父「末森巌人」との思い出を小説風に描いてみました。父が亡くなったとき、やはり私も人間の子供だったのでしょう、目から涙が零れてきて、好きとは言えなかったのですが、やはり父という存在がいかに大きかったのか改めて感じた瞬間でもありました。そして何も残せなかった父に代わって、末森巌人が生きた証を息子の私がウェブサイトとしてここに残します。
元々、小説でも書いてみるかな、と思ったのは、恥ずかしながら、お金(生活費)の為だった。私には二人の子供がいて、近い将来高校に進学すれば、当時の私がかいでいたサラリーではとてもではないが生活できないと分っていたからだ。だから本業以外の新たな収入源を求めていた。
収入源は何でも構わない状態ではあった。例えば私に作詞の才能が有れば脳裏に浮かぶ素敵な詩を言葉に変換、さらにBGMとしてメロディなどをつければ、それこそ 通信講座-110番などで勉強しなくても十分な収入源に成っていたかも知れない。
だが現実は非常に厳しかったと言える。子供が生まれた頃の理想として、子供を立派に育てる為の教育は、勉強のやり方を基礎から教える家庭教師が最高だと思っていた。だがその元と成る父親、つまり私には特別な能力など備わっているはずも無く、当然のようにまともな小説も書けなかった。
だが何も出来ないからと言って何もせずにいるのも父親として恥でもある。況してや子供の教育もまともに受けさせる事ができなければ。私のような中途半端な人間に育つだろう。だから「人生で初めて」といって良いぐらい、小説の書き方に関する研究をした。
その成果は違う形で現れた。こんな事になるとは思っても居なかった。小説を書いてもお金にはならないが、ネット上で企業を広告する文章を書けば、ある程度の収入になることを知った。人を納得させるような小説は書けないが、企業を広告する文章であれば、と想い、誕生日プレゼント専門の記事を書くことにしたのだ
実は誕生日プレゼントに関する記事はどんな内容であっても企業を紹介する文章であればまったく問題なかった。例えばおもちゃをテーマにしても構わないし、アクセサリーでも構わない。要するに題材が有ってない様なテーマである。ゆえにそれまで人に読まれる小説創作を目指していた私にはとても簡単話しである。
今後の目標としてはリフォーム関連の記事も書こうと考えている。小説創作から離れてしまったが、元々はお金のために書き出した文章である。だから生活費を稼ぐ為であれば、どんな文章でも書く必要があるし、むしろより喜ばれるような文章を書こうと思っている。
その上で最終的な目標としては結婚式場を紹介するような記事も書こうと思っている。と言うのも結婚に関する記事は単価が高く、どんな文章でも書ける自信があるからこそ、最初から収入源として見込める分野に足を入れるほうが、得策だと考えているからである。
―――― END of This page.And Copyright-SuemoriTakumu-All Rights Reserved――――
許可無く複製・再配布する事は著作権法で禁じられています。
サイト内の文章及び画像には全て著作権があります、ご注意ください。